南ヨーロッパ祈りの旅報告会-1-

12月9日ホピと黒マリアに導かれて南ヨーロッパ祈りの旅報告会は、東洋と西洋の精神性が融合したかのような、簡素で静謐さにあふれた浄土真宗のお寺のホールが会場として備えられました。これほどふさわしい場所はなかったのではないかとみなが思いました。高願寺さま、お力添えくださったみなさま、ご参加下さったみなさまに、こころより感謝申し上げます。

さて、今夏、私がヨーロッパ41日間を巡ることになった流れ、また、南ヨーロッパを女性4人で8日間巡礼したいきさつなどは、個人的に、先日まとめた文章がありますので、よろしければご覧ください。

『ホピの予言』という映画上映を通して、自分の道をそれぞれ歩き続けている、素晴らしい女性たちとの導かれるような出会いによって、ホピ丸十字が太陽のシンボルであり、キリスト意識であることを、ヨーロッパに旅立つまでに確信していました。今回の報告会の主催者は旅した私たちですが、その名をSun Sisters(太陽に導かれた姉妹たち)とした所以がそこにあります。

その直観をはっきりとした認識にまで引き上げる、ひとつのきっかけをいただいた冊子が『心臓の秘密』でした。その著者でいらっしゃる山本忍先生に、幸いにもトークゲストとしてお越しいただくことができました。共催の志のぶさん、Sun Sistersのおひとり、りえさんとご縁が繋がっていたからです。『心臓の秘密』という言葉だけでは、私もピンとこなかったと思います。表紙に描かれていた心臓=丸十字を見たからこそでしたし、難解ながらも、とても共感させていただける箇所があったからです。

山本忍先生は、1995年「医療と福祉を結ぶ」をテーマに横浜市神奈川区に建設された福祉マンションの一角に神之木クリニックを開設され、地域医療、アントロポゾフィー医療の実践に取り組んでこられた。アントロポゾフィーとは人智学とも訳され、19世紀末から20世紀初頭にかけてドイツで活躍した哲学者・神秘主義者のルドルフ・シュタイナーの思想をさします。

山本忍先生のお話のタイトル『心臓の秘密』もさることながら、自称"太陽坊や"の先生が語られる内容は刺激的で、私たちのみならず、参加者の皆さんも興味しんしんでお聴きになってらっしゃいました。その内容、参加者からの質問への答え、私自身の経験、感想などはカッコして交え、把握できる範囲のごく一部ですが、書き起こしてシェアさせてください。
私にとってもとても大切な振り返りの時間です。

太陽は心臓の発電所

心臓を動かす電気は太陽が生んでいる。
中世ヨーロッパの医師たちも「心臓を動かす電気、それは太陽からやってくる」と答えている。心臓の洞結節というところで、電気が生れる。
そして、太陽だけではなく、太陽系を周る7つの惑星も、対応するそれぞれの内臓を動かしている。肺ー水星、腎臓ー金星、胆嚢ー火星、肝臓ー木星、脾臓ー土星、というように、私たちの身体が、まさに小宇宙を成している。

Sun Sistersが巡った旅程そのものが心臓4室を巡っていた!

ナルボンヌ(国際反核キャンプ)→カルカッソンヌ→モンセギュール(カタリ派)→ピレネー山脈越え→バルセロナ→モンセラート(黒いマリア)→バルセロナ
それは、心臓の右心房→右心室→左心室→左心房に対応している。モンセギュールが心臓の拍動を起こす洞房結節にあたり、まさに太陽の恩寵=キリスト意識を得たに違いない。ピレネー山脈は心房中隔にあたるでしょう。そこをSun Sistersは越えてこられたのですね。
(たしかに、最後のカタリ派が火刑に処されたこの地で、私は無性に踊りたくなり、帰りの車の中では、ヒーターが入ったように腰辺りが温かくなり、宿に着くまで続いたのは不思議だった。りえさんとあゆみさんは、ここでひっそりと奉納をなさっておられる)

丸十字

ホピ、キリスト教グノーシス派、島津家の家紋、アメリカインディアンのメディシンウィールなどなど。
(アメリカインディアンの世界観を示すシンボルとして部族関係なく汎用されている。また、先日の「ホピ丸十字とキリスト意識」では、ヨーロッパ精神史研究所の小林直生さんは、丸十字は世界で最も普遍的なシンボル、と解説してくださった)

31という数字

山本先生を「心臓の秘密」に至らせた、その入り口となったシュタイナーの書物が『自由の哲学』。シュタイナー自身が「1000年後に残る唯一の書」と言い残したらしい。その「第5章世界の認識」が31段落あることに先生は注目。
(このちょうど真ん中16段落目に秘教的なものが公開されている、と『心臓の秘密』にお書きになっています。また、この書全体が「太陽の叡智」を記している、とも)
そして、31という数字は、人間の脊椎の骨の数。
57577短歌のミソヒトモジ。

スウェットロッジの石の数

31という数字を聞き、山本先生に質問していました。

アメリカインディアン、スー族など平原インディアンに伝わってきた浄化と再生の儀式があります。石(火山岩)を真っ赤に焼き、お椀を伏せたような密室(ロッジ)の中で、焼け石に水をかけてサウナのような状態を作り、その中で、焼けた石の周囲に丸く座り、熱い蒸気の中でそれぞれの祈りを分かち合います。そのロッジは子宮とみなされ、終わってロッジから出ると生まれ変わり再生するわけです。
その石の数が、脊椎の骨の数31なのです。

それに対して、山本先生は即座に次のようにお話されました。

骨というのは、身体の中で最も固く、冷たいものです。いわば、長老のような存在ですね。
その骨の中、骨髄で新しいいのち(血液)が生れるのです。その時、溶鉱炉のように熱でもって、新しいいのち、血液が生れる瞬間があるのです。ですから、まさに、(浄化と再生の儀式であるスウェットロッジで使われる)焼けた石と象徴的に繋がっていますね。

(ラコタ族は、われわれは太陽から来た、といってたなあ。かれらも四方向を示すといわれるメディシンウィールを携えている民だ)

心臓はキリスト、肺はマリア

・心臓は48日間をかけて太陽によって、形成されていき、49日目から鼓動を始める。
・魚類の心臓は、一心房(右心房の働き)一心室(右心室の働き)の二室(集める働き)しかなく、奇麗な空気を吐き出し、水をきれいにするための左心房・左心室は、地球や人類のために差し出されている。(『心臓の秘密』を参考にして書いてます)要するに、お魚さんたちは、水の中で生息することで、空気や水を奇麗にしてくれている、ということ。
・身体を巡った青い血液大静脈は右心房、右心室を通り、肺に送られ、充分な酸素を取り込んで、左心房、左心室へと送り込まれ、大動脈となって全身へ巡っていく。四つの部屋のある心臓をキリスト、そして、肺はアントロポゾフィではマリアとみなす。

傷つくと、いうこと

山本先生は以前、ある方から傷つくようなことを言われて、1週間ほど立ち直れないことがあり、ようやく、あることに気が付いた。自分に投げつけられたそれらの言葉は、すべて自分自身も他人に発していた言葉だったことに。今まで、知らず知らずのうちに、人を傷つけていたことを知らしてくれた方に、とても感謝した、というお話。
そして、傷つけられたということにフォーカスするのではなく、私たちを守ってくれているシールドを脱ぎ捨て、私たちは、毎日、毎日でも生まれ変わることができる、というお話。

ファントム

人間の身体を覆う見えない四層の膜、ファントムがあり、さまざまな影響から私たちを守ってくれている。その4層の色が、赤、白、黒、黄で、ホピのシールドマークに示された四つの肌の色と同じ。宇多田ヒカルさんが数年振りで「ファントム」というアルバムを出され、「自分の内側にある真実から歌を作っている」という話に、さすがだなあ、ととても感心した、というお話も。

NPOマグノリアの灯 ー認識と愛の行為で福島を生きるー

山本先生は、2011年3月11日東日本大震災、そして福島第一原発のメルトダウン後、二ヶ月後から福島へ通われ、NPOマグノリアの灯を立ち上げられました。2018年3月からは、「心臓の秘密」に基づいた「マグノリア農園」が始まっています。


右心房(観察)右心室(知覚)左心室(思考)左心房(直観)に従い、それに見合う作付けを3日間かかって考えたところ、いっしょに農園を始めた、地元で会津の伝統農法で農業されてきた橋本さんが、先生、土に聞いて、先生が仰るようにもう植えといたよ、という返事に驚いた。
また、畑を心臓を模して田の字にアイディアしたが、神之木クリニックを設計された尾竹一男さんもまた、自分(山本先生)と同じ田の字に畑の設計を出されてきた。


それぞれ分野の違う専門家が、自分の直観に従って行動し、全く別の道を通って到達した頂上には同じ光景が広がっている


まとめ切れないけれど、いったん、この辺りで山本先生のお話は置きます。