ホピ丸十字とキリスト意識-2-

始めにマグダラのマリアと黒マリア、それから聖杯、カタリ派と続き、『心臓の秘密』もやってきて、弥勒菩薩もマイトレーヤも次々と。それらはすべて、『ホピの予言』という映画が繋いでくれた出会いだった。

6月町田のお寺で開かれたホピ上映会の交流会で、隣り合わせとなったオイリュトミストのはたりえさんとお会いしたのは二回目、同じお寺、同じレストランでのこと。この夏、南西フランスのナルボンヌで開かれる国際反核キャンプに参加するんです、とお話したら、りえさんの表情が変り、モンセギュールに近いわね、と仰る。私、全然分からず、そうなんですね、と彼女が大切に温めてきたお話を聞きながら、iPhoneで「モンセギュール」を検索してみた。そうしたら、出てきた画面に釘付けになってしまった。

そこには、モンセギュールの紋章、というのだろうか、シールドマークがカラーで出ていた。赤い聖杯の中に黄色い聖十字。それは、ちょうど上映会に持ってきていたホピのヒョウタンのガラガラ(ラトル)に描かれているホピの女性のシンボルとほぼ一致している、、、まさか、きた~って感じだった。りえさんも、玲子さんが行くなら私も行こうかしらと仰る。そんならもう、行くしかないやん、そこ、モンセギュールとやらに。(なんか、もう、関西弁になっとうやん)

出た〜っ!子宮を表す聖杯の中に十字架が!
出た〜っ!子宮を表す聖杯の中に十字架が!

その前に、ホピ上映会に二回続けて来てくださっていたあゆみさんと、ようやく再会を確認。北山耕平さんの「時の輪」以来、10年振りぐらいだろうか。すごく存在感がある方なのに、最初は彼女と分からなかったのだ。夏にヨーロッパいくねん、とあちらこちらでいいふらしていた私に、あゆみさんが私も行きたいです。そしたら、ナルボンヌの国際反核キャンプの広島・長崎デーで奉納舞していただこう、とトントンと話は進んでいたのだった。あゆみさんは古代フラをハワイで納められたクムフラだ。昨年夏も広島で慰霊と平和祈念の舞を奉納されているという。
そして、彼女の口から出てきたことは、黒いマリアさまに会いたい、であった。フランス・ナルボンヌと同じ地中海沿岸のスペインのバルセロナ近郊に、モンセラートという聖地があり、ぜひお訪ねしたい、と。私は、ヨーロッパの母神さまに出会いたいばっかりに、うん、そうしよう、と即同意!!

しかししかし、実は実はである。それまで、モンセギュールやカタリ派のことも、モンセラートも黒マリアさまのことも、ある部分かすめてはいたが、ほとんど何も知らなかった、、、それで、あれこれと気になるところから調べ始めた。

モンセラートの黒いマリアさま
そして、広隆寺弥勒菩薩さま
さて、どう繋がるのでしょうか。

そうこうするうちに、平和活動家で反核アクティビスとでもあるりかさんを通して、マイトレーヤ(弥勒)の訪いがあり、彼女も超多忙な中、旅に合流することとなった。

流れは淀むことなく、8月6日~13日まで、フランス・ナルボンヌで開催される国際反核キャンプを起点として、カルカッソンヌ~モンセギュールを経て、大ピレネー山脈を越え、バルセロナ、モンセラートを繋ぐ女4人の旅程がくっきりと浮かび上がったのだ。

いっぽう私と言えば、ヨーロッパに発つ前には、丸十字が太陽を表しており、シュタイナー的に考察すれば、太陽はキリスト霊であり、ホピ丸十字はキリスト霊を表していると、ほぼ確信してしまっていた。十数年前、あることがきっかけで、シュタイナーの神秘学概論という超難解な本を、二年がかりで読書会したことがあった。その時に、ひょっとしたらホピのいう太陽のシンボルはキリスト霊を指しているのか?と思ったことがあったが、しばらく意識に浮上することはなかった。それが、ヨーロッパからの風が吹き込むと同時に、オイリュトミーやシュタイナー教育に携わる友人知人からの風も吹き込んできたことで、かつて、ひょっとして、とよぎったことが蘇り始めた。

最後のカタリ派がアルビショア十字軍によって殲滅されたモンセギュールにて。
ホピの女性シンボルが描かれたヒョウタンのガラガラ。

キリスト霊とはキリスト教とイコールではない。キリスト教会や教義とイコールでもない。むしろ、宗教という人間がつくった枠組みの中だけにおさめることはできない何か。ヨーロッパを巡るうちに、さらにその輪郭が見えていった。これまで長い間かけて見聞してきたこと、意識のどこかにしまわれていたことが浮かび上がり、あちらからこちらからと合流し、ひとつの幹となっていく、そんな感じだ。

自分の直観に信頼がおけた。何より、失敗など何もない、すべて必要なことが起きているという思いは、裏切られることはなかった。グレイトスピリットが私たちを試される、などということもない。
布石はこれまでに確かに打たれてきてたんだ、と妙に感慨にふけったりもしている。ともかく、出会い、縁の巡りは20年や30年単位だけではないらしい。

モンセギュール城砦
モンセギュール城砦

11月29日モモの家での当日、私の前置き話はさらに加わるが、経緯をぐっぐっと短縮してお話し、次にゲストの小林直生さんに語っていただいた。どうなんでしょうか、キリスト意識って、なんでしょう?みなで分かち合いたいのです、これからの時代を生きていくために、と心こめてお尋ねした。

まず、小林さんは、キリスト者共同体の司祭を30年間務められた後、退官されたことを話され、キリスト者共同体がどういうものであるか説明してくださった。その説明をお聞きしながら、ああ、やっぱりこの方でよかった、と私はうなづきながら、胸の中で思っていた。