四国路 その3

今年ほど台風、大雨、地震など、大きな被害をもたらした天災が多発し、夏の異常高温や穏やざる季節変化が顕著になった年はなかったのではないか。過去長らく、自然に優しい、自然を守る、という声は巷でも普通事となってきたけれど、その視点が「人間中心」であったことには、なかなか気づかなかったのかもしれない。

いま、私たちにとって、祈り、とは何でしょう。

7月豪雨で床上浸水し、仕事場、ショップ、住宅がすべて床上浸水してしまった岡山県笠岡市在住の旧友夫婦がいる。猛暑の中での片付け作業は、想像を超えた困難さと心身の疲弊だったと思います。

そんな彼らが、薬効染めシルク製品を扱うショップ・あるでばらんをいち早く再開することとなり、『ホピの予言』観たいって、連絡くれたのでした。

彼らとの初めての出会いは、1988年8月6日広島平和公園。先日、1周忌を迎えたばかりのデニス・バンクス師が提唱した「大地といのちのために走ろうRun for Land and Life」でのスタートで、若かりし俊ちゃんがインディアンランナーを導いてぴょんぴょんは走ってる姿が映像に残ってますよ。

ふみちゃんのシルクの薬効染めは、その時々、私のお守りとなって、必要に応じ、おおいなる助けをしてくれました。

あれから30年、お互いいろいろあったね。
それにしても、今回は滅多にない人生後半戦の出来事だったね。

久しぶりの再会に、しっかりハグし合いました。

水害の被害に遭われた方々に何かお役に立ちたいと、心から願うめぐちゃんの想いが叶い、氾濫した小田川のほとりで祈りの輪を持つことになりました。私といえば、曇りなく迷いないめぐちゃんに支えられ、彼女のサポート役として加わらせてもらいました。

泥水に浸かったシルクも祭壇に供えられ、お祈りの輪が結ばれます。
おひとりひとりが捧げられた祈りの言葉は、真摯で敬虔で、
いのちの源を感じる素晴らしいお祈りの数々でした。
持ってきたラコタセージに火をつけ、お祈りとともに捧げていただき、
祈りが天に、地に、川に、傷ついた人の心に、旅立った魂に届けられますようにと。

翌日、俊ちゃん、ふみちゃん、めぐちゃん、のりこさん、私の5人で、
捧げたお酒とこの灰は、小田川にお流しいたしました。
俊ちゃんが、これからは女性性の時代だから、女4人で手を携えて、流してね、
と祝詞をあげながら、そばで見守ってくれ、しゅんちゃんの男性性が頼もしかった。

さて、祈りの輪を終えて、室内に入り、『ホピの予言』上映会です。
短い情宣期間でしたが、お部屋にいっぱいの方々十数人が集まってくださり、熱い視線でみなさん、ご覧くださいました。

奥さんのふみちゃんにとっては、この水害は、かみさまが与えてくださった浄化だったといいます。こんなことがなければ、これまでの自分、暮らしを徹底して見つめなおすことはできなかったかもしれない、と。水にいのちを流された方もおられるし、まだまだ爪痕は深く残ってはいる、大歓迎の事態ではないけれど、でも、よかった、って思える、そんなふうにふみちゃんが話してくれました。

今回の小田川の氾濫は、上流域を管轄する広島県、そして下流域の岡山県が、ご多分にもれない縦割り行政の中で、連携が取れていなかったことにも由来したことは、どうやら否めないようです。

人間が作り上げた机上の合理システムから、価値観の視点を自然、宇宙の法へとぐぐっと舵を切る時です。ホピの岩絵もそれを示しています。

そして、私たちの祈りもまた、絶え間なく一瞬もとどまることなく流れている宇宙進化の流れ、その意にそったものでありたい、そう思う。

ふみちゃん、しゅんちゃん、めぐちゃん、そして、たくさんサポートしてくださった典子さんに、心からの感謝を申し上げます。

ほんとうによき時間をありがとうございました!!!