四国-岡山-大阪10日間の旅を終えました。
各地で迎えてくださったみなさん、
共に過ごしてくださったみなさん、
それぞれの土地で呼応してくれたスピリット、雲、風、鳥たち、
ほんとうにありがとうございました!!
急峻な斜面での伝統農法が今も生きる徳島県剣山系標高400メートルから550メートルの「ソラ」と呼ばれる山間の集落を訪ねました。今年3月、この伝統農業と文化は世界農業遺産に登録されたばかりですが、世界的にも注目され、海外からも見学者が訪ね始めています。阿波忌部氏の故郷でもあります。
案内してくださった方は、阿波忌部文化研究の第一人者で、世界農業遺産登録への推進役となられた林博章先生!なんと贅沢であったことか。
刈ったカヤを束ねて、いくつも寄せて立てかけます。ひと冬越すと、発酵するそうです。それを肥やしにします。コエ黒と呼ばれています。
農家民泊での自家製食材を使った手作り料理、保存食によるおもてなしの数々、伝統農法と地元文化のレクチャー、徳島大学生との見学ツアー、地元のみなさんによるお昼ご飯や手作りお饅頭のお接待、昨年の新嘗祭に千年続くといわれる粟を納められた農家の訪問、アニミズムが生きている信仰の場、形などなど、一般観光では到底経験できない、ぎゅうっと濃縮された貴重な旅をさせていただきました。
何より、自家栽培、自家採取が各農家で続けられ、小豆、大豆、粟、キビ、蕎麦などの在来種等が守られ、受け継がれていることに感動。種の聖域でした!!
下界でライフラインが止まろうが、「うちは、そやな、関係ないな」とやすやすと仰る現役おじいちゃんとおばあちゃん。
こんな具合にするんだよ、と農家民宿でお世話になったご主人さんが、コエ黒を組んでみせてくださいました。向こうに街と吉野川が望めます。
あちこち見かける吹き抜けのお堂。お弔いに使われたそうです。みんなで手を繋いで回り踊りをしたんだって。お堂の近くにお墓もあります。
特別に美味しい山の水、溢れんばかりの陽光、かやや落ち葉を利用した循環する肥のいろいろ、保水状態のよい土壌、継承されてきた風土に適った種の数々。世界遺産に登録された地元文化への誇りがそこに加わり、この山間は、「文明」とやらに犯し切られることはない聖地として、これからも長く生き続けるに違いない、なんだか高揚しました。
こんもりした低木に抱かれるように、森の神さまがおわしました。
東京から夜行バスで徳島まで直通!グレードアップのシートを選び、翌朝は温泉で身体をあっためたら、なかなか快適。徳島も近くなったし、今度は剣山へ登頂したいな。
忌部文化研究所サイトに剣山系の農業など詳しく載っています。
私も会員になります。