早朝のサンディエゴからロスアンジェルス、そして成田へ帰ってきました〜。
ただいま!!
上野までの間に、初めて訪ねたアンテロープキャニオンのこと、少し書いておきます。一度も行ったことのない景観地を今回は訪ねたいと思っていたのです。ずっと目的を果たすためだけの旅ばかりだったからね。
アンテロープキャニオンは、スコールのように降る雨が鉄砲水のようになって、砂岩の地層をまことに柔らかなウェーブで、幽幻に削られた谷で、ナバホ居留地の管轄地。
ツアー料金ひとり頭、大枚48ドルを払い、デッカいジープに10人ほどが乗り、ガイドが付かないと入ることができない。
ツアー受付の場所のすぐそばには、三本の煙突が高くそびえる火力発電所。そして、アメリカンカチナと揶揄される鉄塔と電線が伸びている。受付のお兄さんはチャイニーズで、私らはチャイニーズの社員旅行者たちと同乗だった。それだけ、中国人観光客が多いってこと。
赤茶け、乾燥した砂埃をあげる高原砂漠の光景に、もくもくと煙を立ち上らせている火力発電所。そして、ツアージープに乗り込む観光客たち。私たちもそのひとり、いや、ふたり……
そこ、Pageというナバホの土地に建設された火力発電所では、ナバホやホピの強制移住問題を引き起こしたブラックメサで採掘された石炭によって稼働しているはず。そして、ガイドは土地のナバホたちだ。
石炭採掘権、火力発電所、そして、観光ガイドはナバホたちにとって、貴重な収入源となっているに違いない。
このなんとも言えぬ奇妙でやり切れない光景に、もし、ノイ氏がいなかったら、私はきっと踵を返していたに違いなかった、そう思う。
ただ、キャニオンは息を呑むような美しさ。空気はひんやり。ナバホ女性のガイドは、撮影地点を心得いて、観光客一人ひとりにポーズをさせては、記念写真を次々と撮るサービス。ナバホたちはビジネスがとっても上手だ。彼らの表情からは、なにか誇りのようなものさえうかがえて、それはそれでよかった、と思いもする。
その日は一日、よーく走った!
フラッグスタッフの手前、Wupatki Ruin National Monumentに夕方、滑り込み、ノイ氏にホピの先祖たちの住まいの遺構に案内できたのはよかったけれど、ほんの少し、どこか心に落ち着かぬものが残った日でもあった。